Fate/Grand Orderの話をするとしよう

ゲームはヘタクソでも計画と計算でFGOを楽しんでいく記録

FGO日記(やることも無いのでロード・エルメロイII世の事件簿の既刊まで全部を読んでいた1月2日)

FGOと関係ないよね?」
いいじゃないの、細かいことは。

オルガマリー・アニムスフィアが出てきたし、まあ関係あるってことにしといてくださいよ。

さて、この物語は、主人公であるグレイ(異論はあるだろうけど、多分大半は彼女が主人公でしょ?)の成長であったり、ウェイバーからロード・エルメロイⅡ世がFate/stay nightの時系列の第五次聖杯戦争後、最終的に聖杯を解体するまでに何があったのか、みたいなミッシングリンクを埋める話とかでもあるとは思うのだけど、自分はあまりそこには着目して読んではいない。

自分としてはこの作品は「whodunitでもhowdunitでもなくwhydunitに徹底的に着目し、神秘を解体しつづけるロード・エルメロイⅡ世の視点」、あるいは「そんなロード・エルメロイⅡ世の懊悩を楽しむライネス・エルメロイ・アーチゾルテの視点」、はたは「ロード・エルメロイⅡ世に何としても報うためにとするグレイの視点」の3つから出来ていると思っている。

ロード・エルメロイⅡ世の視点では、限りなく何でもアリの型月時空で起きる事件を痛快に解決していってくれる娯楽を。
ライネス・エルメロイ・アーチゾルテの視点では、「ウェイバー君、キャラは変わったけど相変わらずかわいいなぁ」みたいな娯楽を。
グレイの視点では、狂言回しと、彼女自身の成長と、極めて王道な娯楽を提供してくれる。

この作品は、キャラの確立されてあるラノベが好き、それに、どっちかというと推理小説で自分自身による推理よりは、二転三転する状況にワクワクしたい、みたいな層を狙っているんだろうなあと思う。
著者はレンタル・マギカの三田誠さん、自分は残念ながらアニメ版レンタルマギカを放送中にちょっとだけ見ただけなのだけど、推理小説っぽい謎解き要素は当時から感じていたので、適材適所だなーって思ってます。

究極的には魔術という何でもアリな道具がある手前、常人には推理不可能なところを、whydunitの視点から「解体」していくことでミステリーとしても成立しつつも、さりとてミステリーとして読まなくても、純粋ビックリドッキリ小説としても成立するあたり、まだ精神的には未完成な小学生だったり中学生だったり高校生だったりから大人までを満足させるラノベ作家の超絶技巧というトンデモないものを見せてくれます。

いや、マジで「ウェイバーかわいい」でも「到達不可能でも挑み続けるロード・エルメロイⅡ世の姿に自分の姿を重ねてしまう」でも「グレイかわいい」でも「ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ、好き!」でもいい、色んな楽しみ方が出来るので、気軽に読んでみると楽しいと思うよ。